プロ占い師に必須な「寄り添う」スキルとは?

皆さん、こんにちは。

占いと心理のスクール、セラスの講師であり、占いカウンセラー、スピリチュアルカウンセラー養成講師のミスカトニックです。

さて、今日はプロ占い師に必須となる「寄り添う」という事について考えてみたいと思います。

具体性のない『寄り添う』の問題点

私自身、占い師としての活動もているのですが、同時に占い会社に対するコンサルティングを行う活動もしています。

その際、占い師のオーディションに同席する機会も多いのですが、多くの占い師さんは「寄り添った鑑定」と言う言葉を好んで使われます。


この「寄り添った鑑定」を意識するという事は、プロ占い師として非常に大切です。

しかし、残念ながらオーディションを見る限りにおいて、この「寄り添う」が単なる理念で終わってしまっている方が大勢いるんですね。

具体的に言うと、「あなたにとって『寄り添う鑑定』というのは、どういったものですか?」と質問すると…

クライエントを傷つけない鑑定
クライエントを第一に考える鑑定
クライエントの気持ちを第一に考える鑑定

というような回答が返ってきます。

これはこれで、間違いはありません。

ただ、これがどのように鑑定やセッションに活かされるか、という点が重要なんですね。

これはプロ志望の方もプロの方も同じです。

プロ占い師さんと話しをする機会も多いのですが、「寄り添う鑑定を心がけています」と仰る占い師さんは大勢います。

しかし、寄り添う鑑定・セッションが成立しているかどうかは、鑑定やセッションの提供者ではなく、クライエントがそれを実感できているかどうかで決定されます。

それに対して寄り添いが単なる理念だと、クライエントは寄り添ってもらったという実感を得る事が出来ません。

そのため、クライエントはその占い師さんの鑑定やセッションを受けても、あまり満足感を得ることなく去っていく、という状況に至ってしまうのです。

一方、売れている占い師、占いカウンセラー、スピリチュアルカウンセラーは、向き合い方は人それぞれですが、しかしその大半の先生が具体的に寄り添うという事を実践なさっているんですね。

ここに、売れる占い師と売れない占い師との分岐点があります。

そもそも、『寄り添う』とは?

では、そもそも「寄り添う」とはどのような事なのでしょうか?

私の考える「寄り添う」の定義は以下のものです。

クライエントに寄り添うというのは…

第一にクライエントとの関係作りであり、クライエントが安心して自分自身でいる事の出来る場の形成

第二にクライエントの抱えている問題に対する理解的かつ中立的な姿勢

第三にクライエントの心理精神面に対する最大限の配慮と受容

これらを具体的なスキルとしてクライエントに提供できる事

という内容にになります。

以下、1つずつ見ていきましょう。

クライエントとの関係作りの重要性

占い師・占いカウンセラー・スピリチュアルカウンセラーの活動は、クライエントに信頼されなくては成り立ちません。

では、どのようにすればクライエントに信頼されるのでしょうか?

占いを扱う以上、「当たっている」と思っていただく事は、鑑定やセッションでは大前提となります。

そもそも、当たっていないのに信頼してください、というのは無理のある話しです。

しかし、当たり外れ以外に…

「クライエントが人として尊重されているか・受容してもらっているか」

という事を実感して頂くことも大切なのです。

そのカギとなるのが、セッションが始まった際の私たちの立ち振る舞いです。

その立ち振る舞いでクライエントの安心感を生み出すものかどうかが大切になります。

具体的には、声のトーンや優しい視線を注ぐこと、安心できる雰囲気づくりができるかどうかです。

つまり、クライエントに対して「welcome!」と言えているかどうかなんですね。

そのためには、「私はあなたを大切に思っていますよ」というものが相手に伝わるコミュニケーションが必要になります。

そして、そのコミュニケーションは、多くの場合非言語的に表現されるものです。

まず、「私はあなたが大切な存在だと思っています」という気持ちをもって鑑定に臨むという事が具体的なスキルになっているかどうかをチェックしてみてください。

問題に対する理解的かつ中立的な姿勢

次に大切になるのが、クライエントの抱えている問題に対する理解的かつ中立的な姿勢です。


クライエントの相談内容は、テーマは似通っていてもクライエントの置かれている状況は千差万別です。

そして、クライエントの問題も、非常に理不尽なものもあれば、社会通念上疑問符が付く相談まで、様々です。

しかし、それらの問題は、クライエントにとって意味があるから問題として存在しています。

私たちの活動では、クライエントをありのまま受容し共感する事が大切です。

その、ありのままのクライエントとは、そうした問題を抱えている状態そのものも含めたものなのです。

ここで考えて頂きたいのは、「どのような意味があって、クライエントはこの問題を抱えているのだろうか?」という点です。

クライエントは、本来の自分になろうとする、心の動きを持っています。

誰しもが、自分らしくありたいという気持ちを持っているのです。

そして、クライエントの抱えている問題も、その本来の自分になろうとする心の表れでもあります。

つまり、クライエントは抱えている問題の解決を通して、自分らしさを回復し実現しようとしているのです。

例えば、片思いであるならば、片思いが成就する事が自分らしさを実現する事だとクライエントは考えるでしょう。

そして、片思いが成就していない事が、クライエントから自分らしさを奪っているものと、クライエントは無意識のうちに考えています。

これが正しいかどうかは、また別問題です

というのは、クライエントのその問題が解決され成就する事と、クライアントがクライアントらしさを実現する事は別問題だからです。

この瞬間、どうしてもクライエントの悩みや問題に対して否定的な姿勢を取りたくなる衝動に駆られることでしょう。

それは鑑定を進めていく中で、1つ1つ検討を積み重ねていけばよいのです。

つまり、クライエントの抱えている問題や悩みに対しては、それも含めて今のクライエントのありのあまの姿として批判することなく理解し受容する事です。

そして、その前提に立って、クライエントの抱えている問題が鑑定やセッションの結果でどう判断されるかをクライエントと話し合い、クライエントの自己理解を促すようにしていくのです。

まずは、クライエントをその問題も含めて、まるのまま理解し受容する事が大切です。

心理精神面に対する最大限の配慮と受容

最後に、クライエントは問題を抱えているがゆえに、精神的にも心理的にも追い詰められている状態になっています。

そのため、クライエントは大変傷つきやすく、かつ否定的なものに対して敏感になっています。

そのため、クライエントの心理状態、精神状態に対する配慮と受容、そして理解が必要になってきます。

具体的には、「クライエントの立場に立って考えることのできる想像力を発揮できるか?」という事が大切になってきます。

例えば、片思いでそれが既婚者に対する恋愛だったとしましょう。

その恋愛が社会的に是認されるかどうかは疑問符がついてしまうところです。

しかし、そのクライエントはわざわざ意図的にそうした問題のある恋愛を選んだのではありません。

人を好きになるという気持ちをコントロールする事は容易ではありません。

クライエントは、好む好まざるとにかかわらず、結果的にそうした恋愛感情を持つに至ってしまったのです。

また、クライエントも愚かではありませんから、自分の恋愛がどれほどリスクのあるものかも承知しています。

それがゆえに、クライエントは神経質にもなりますし、精神状態も否定的なものになってしまいます。

実際、多くのクライエントが精神的・心理的な負荷がかかった状態で日々を過ごしています。

まず、クライエントの世界で何が起こっているか、という事に対して想像力を働かせて、クライエントの苦痛や苦悩を理解しようとすることが大切です。

そうしたクライエントに対して一言、「今まで大変でしたね」という言葉を投げかけるだけでも、クライエントの心理面・精神面は違ってきます。

最後に~寄り添う事の意味~

クライエントの心情を一言で表すなら、「救われたい」んですね。

この状況から抜け出す道を必死にクライエントは探しています。

もちろん、すべての願望が認められるわけではありません。

先述した既婚者に対する恋愛感情は、気持ちは理解できますが、クライエントにとってそれがベストの選択肢かと言えば疑問符が付くでしょう。

クライエントの悩みを理解し受容する事と、悩みを肯定する事はまた別の話しです。

人としては、クライエントの悩みに対して心から理解を示し、受容する。

しかし、その悩みに対して占い師と師としてどのように判断するかは個別に判断するべき事となります。

もし、鑑定結果が否定的であれば、それを隠ぺいする事は問題ですし、相手の精神状態、心理状態を考えながら、デリカシーを持ちつつ伝えるべきです。

しかし、それでも人としてクライエントに対して理解と受容を提供し続ける限りにおいて、クライエントは救われた気持ちになるのです。

そして、その経験がやがては本来のクライエントへと回帰していく原動力になります。

ですので、ぜひ皆様には具体的なスキルとしての寄り添いを意識して頂けると幸いです。

~・~・~・~・~・~・~・~

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